病棟勤務は本当に忙しく人間関係もドロドロで、毎日辞めたい日々の連続ですよね。
中には心から楽しく働いている看護師もいらっしゃるとは思いますが、大半の方は楽しいよりストレスを感じて勤務していることと思います。
私は看護師歴11年目、病棟勤務歴は7年です。
新卒で大学病院に就職し5年勤務した後、中規模の病院へ転職し2年間勤務しました。
病棟勤務を7年間する中で、何度辞めたくなったか数えきれないです…
しかし、今となって病棟勤務を振り返ってみると、デメリットだけでなくメリットも沢山あったと感じています。
何故かと言うと、病棟勤務を経験したからこそ、その後の就職先や生き方に色んな選択肢が持てたからです。
今回は、病棟勤務を経験するか迷っている、病棟を辞めてしまおうか迷っている看護師の皆さんに向けて、私の経験上で病棟勤務のメリットやデメリットをお伝えしていきます!
目次
病棟勤務のメリット
先ずは病棟を7年経験して感じたメリットから説明します。
①看護師に必要な知識と技術が一番身に付く→就職先に困らない
これが最も病棟看護師をする上でのメリットだと思います。
看護師って、一度資格を取って働き始めると他の職種に就く人ってめちゃくちゃ少ないです。
看護師不足の世の中で就職先には困らない、給料も安定(高くはないですが…)しているからです。
でも同じ職場で働き続ける看護師は極一部で、ほとんどの看護師は転職を経験すると思います。
転職をするとなった時、知識や技術が身に付いているかが本当に重要です!
理由は4つ
- 自信が付くので就職先の選択肢が広がる。
- 希望の就職先から雇ってもらいやすくなる。
- どこに就職してもすぐに仕事が一人でこなせるようになる。
- 転職後、周りの看護師と良好な関係が築きやすくなる。
病棟を経験していれば、知識や技術に自信が持てるので自然と大体の就職先が選択肢になります。
そしてある程度病棟での経験年数があれば、希望の就職先への印象が良いので雇ってもらいやすいのは間違いないです。
実際に今まで2回転職をしましたが、面接の時点で就職してほしいと言ってもらえたので就職先に困った経験はありません。
そして転職するまでは自覚していませんでしたが、転職先でも病棟で学んだ知識や技術は共通で、びっくりするくらい仕事への適応が早いです。
その結果、仕事への適応が早いと手が掛からないので、周りの看護師からの当たりがキツくなりにくかったり、頼られることもあるので周りとの関係が築きやすくもなります。
それだけ病棟勤務の経験は転職の際に有利に働きます!
勿論転職をしない場合でも病棟勤務は看護師としてのレベルがアップするので、看護師としての自分に自信が持てます!
向上心がある看護師には病棟看護師はメリットが大きいです。
②大抵の多重課題は余裕で対応が可能になる
これは仕事だけでなく日常生活でも共通ですが、あまりにも病棟が多重課題(同時にやらないといけない事が沢山ある状況)の連続すぎて、大抵の課題は冷静にこなせるようになります!
病棟では常に多重課題の中で優先順位をつけながら業務をこなさないといけません。
勿論、病棟だけが多重課題の連続と言い切れる訳ではありませんが、私が知っている中では病棟以上に忙しい職場は無いと思っています。
こんな状況の中で働いていると、自然と仕事でも日常生活でも全てにおいて優先順位をつけて対応が出来るようになります。
私の友人は、病棟で働いているよりも子供2人の育児をしている方が楽だと言っているくらい、病棟は育児より多重課題が多いみたいです(笑)
一番忙しいであろう病棟でそれを身に付けておくと、どこに転職しても多重課題をこなすのは余裕に感じます!
実際に急性期病棟を経験してからの転職は、どこに行っても業務面では楽に感じました!
③同期と支え合える
病棟は入れ替わりが激しく、他の勤務先に比べると採用する新人の人数が多い傾向にあります。
特に4月には新人を数人採用する場合がほとんどかと思います。
病棟以外だとクリニックや施設看護師や訪問看護師など様々な職場はありますが、大体は退職者の部分に新人を補充する形なので、一気に新人が入ることも病棟に比べると頻度は少ないです。
私は今まで同期が存在していたのは病棟で働いていた時だけでした。
同期の存在って本当に仕事をする上で有り難いです!
私は同期が6人も居た病棟に配属されましたが、仕事で本当に辛い事があった時に愚痴を聞いてくれる同期達が居たから何とかやっていけたと思っています。
転職をして同期が一人も居ないとなった時に、愚痴を吐き出す場所が無くて辛くて、同期が有り難い存在だったんだなと改めて感じました。
看護師をしていたら辛い事は絶対に経験しますが、同期が居てくれたら気持ちが全然違います!
病棟勤務のデメリット
①身体的、精神的にしんどい
これが一番のデメリットです。
身体的なしんどさは病棟の忙しさが原因です。
基本的に仕事中は立ちっぱなし、休憩はまともに取れない日が多い、トイレに行く時間も取れず膀胱炎や便秘になりがち、残業は当たり前、挙げるとキリがないです…
精神的なしんどさは、主には人間関係です。
病棟はあまりにも忙しいのでみんな心に余裕が無くて常に雰囲気がピリピリしています。
病棟はどの職場よりもダントツで雰囲気が悪いように感じます。
そんな空気感で仕事をしないといけないので、常に先輩の顔色を伺ったり声を掛けるタイミングを間違えないように気を付けたりしながら仕事をしないといけません。
どれだけ気を遣って働いていても、理不尽な事を言われて傷付いたり泣いたりは何度も経験しました。
そして病棟は医者との関わりも確実にあります。
中には優しい医者ばかりの病棟もあるかもしれませんが、経験上高確率で変わった医者が居ます。
医者が変わっていると医者との関わりにも結構なストレスを感じます。
私の経験ですが、とにかく看護師への態度が悪い医者がおり、報告をすれば日本語を話せと言われ否定ばかり、何か気になる事があればピッチに掛けてきて問い詰める、処置の介助で気に入らない事があると看護師を突き飛ばす、患者さんの前で理不尽な説教をする、そんな医者も居ました…
それでも関わらないと患者さんに適切な対応が出来ないので関わるしかない状況にストレスしか感じていませんでした。
クレーマーの患者さんが受け持ちに居た場合も最悪です。
病棟ではその勤務中は同じ患者さんを受け持つので、クレームを言われないか緊張しながら慎重に何時間も関わる必要があります。
例えば訪問看護師やクリニックの看護師だと、関わる時間は訪問中だけであったり、患者さんが診察に来ている間だけです。
病棟は入院している患者さんが相手なので同じ患者さんと長時間関わることになるのです。
病棟は身体的にもキツいですが、何よりも人間関係による精神的疲弊やストレスの方が何倍も大きいです…
②委員会や係活動がある
病棟で働くとほぼあります。
委員会は病院全体で定期的に開催され、委員会での決め事などを担当の看護師が病棟に持ち帰り、他の看護師へフィードバックします。
○○委員会という物が複数存在するので、何かしらの委員会には属することが多いです。
係活動は病棟内の係になります。
例えば、記録係→マニュアルや記録の入力に不備が無いかのチェック、レク係→病棟で開催する飲み会などの司会や出し物などの担当をする、などです。
係活動は病棟勤務でなくてもある場合も多いですが、委員会は病院ならではだと思います。
忙しい勤務中に委員会に参加するのも本当に面倒くさいですが、委員会で課題が出たり病棟スタッフに時間を作ってフィードバックしないといけなかったり、地味にストレスです。
係活動は仕事中は忙しくて出来ないので仕事後に活動をする場合も多々あり、そんな時間があったらさっさと帰って休息や食事をしたいなと思っちゃいます。
③看護研究の順番が回ってくる
病棟に勤務していたら必ずと言って言い程、看護研究の順番が回ってきます。
看護学生の時に経験したとは思いますが、自分が決定した何かの事柄に対して、文献などを用いながら分析をしてレポートにまとめて、最終的に色んな病院が集まる研究発表会で発表します。
レポートを書くだけでも大変ですが、上司に助言を貰いに行ったり文献を探しに行ったりも必要なので、完全に休日を返上して何ヶ月も取り組まないといけません。
そして最後には発表が待っていると思うと全てがストレスです。
大体3年目〜5年目になると研究の順番が回ってくる確率が上がります!
病棟に戻りたくない原因の上位に挙がるくらい嫌です!
病棟勤務は経験すべきか?
メリット、デメリットを記載しましたが、これを踏まえて病棟勤務は経験すべきか経験したくないかどう感じましたか?
正解は無いのでそれぞれの価値観で決定すべきです。
もし私がまた新人の頃に戻ったとしたら、迷わず病棟勤務をします。
理由は4つあります
- 病棟の経験があったから看護師としての自分に自信が持てた。
- 転職をしたこともフリーランスになったことも、自信が持てたことで決断が出来た。
- 転職先の幅が広がった。
- 転職活動で病棟勤務歴があることは有利に働いた。
デメリットが沢山挙がっているように、病棟勤務をしたことは今思い出してもしんどい思い出ばかり蘇ります。
ですが、病棟で働かなかったら自分の進みたい道を自由に選択して働くことは出来ていなかったはずです。
挙げたデメリットより、メリットの方が私にとっては重要でした。
こんな私も、病棟で働いている時にはしんどくて辞めたいばかり考えて、病棟で働くことにメリットなんて無いって思っていました。
実際に転職をして初めて、病棟勤務での経験が自分にとって大きなメリットがあったんだと実感しました。
よく看護師長さんや先輩に「5年は病棟で働きなさい」って言われるのを聞きませんか?
「どうせ引き留める為に言ってるんでしょ?」って当時は腹が立っていましたが、それは経験者からの助言です。
不思議ですが、病棟で5年働いてやっと、転職してもどこでもやっていけるレベルの看護師に成長しているんです。
病棟で働く看護師には、騙されたと思って5年頑張って働いてほしいなと思います。
その苦痛な5年間を耐えたら、その後の看護師人生での苦労が絶対に減ると言い切れます。
これは私自身の経験からの意見なので、経験するもしないも個人の価値観次第です。
続けるにも自分の体調を第一優先すべきだと思っているので無理は禁物です!
まとめ
私自身の意見を長く記載しましたが、簡潔にまとめます。
- 長く看護師を続けていく予定で転職の選択肢はなるべく沢山必要、看護師としてレベルアップをしたいという方は病棟勤務は経験すべきです。
- 看護師としてのレベルアップは望んでいない、転職の選択肢は大して必要無い、楽に働ける所で長く働けたら満足という方は病棟勤務は経験しなくても問題ありません。
この記事が病棟勤務をするべきか、続けるべきかと少しでも悩んでいる看護師のお役に立てたら嬉しいです!
今後も看護師に向けてお役立ち情報を投稿していくので、是非見に来て下さい!
それでは〜!!