身体が楽に働ける看護師の仕事がしたい。
でも給料も下げたくないしな…
看護師の仕事は本当に過酷で、楽に働ける仕事を探している看護師は確実に多いと思います。
でもその時に引っ掛かるのが給料面ですよね。
病院から転職して訪問診療の看護師として働き始めた私ですが、こんなに身体が楽で給料も病院で夜勤をしている頃と大きく変わりない仕事があったんだと驚いたのが正直です。
給料が下がるから今の職場で頑張ろうと諦めてしまった看護師にも、是非おすすめしたい仕事です!
今回はそんな訪問診療の看護師のメリット・デメリットや仕事内容について、勤務経験がある私が詳しくお話していきます!
この記事を読むと訪問診療のリアルが分かり、今後の就職先を決める手助けになること間違い無しです!
訪問診療で働く看護師のメリット
訪問診療の看護師は働いてみるとメリットの方が遥かに多い仕事です。
- 身体が楽
- 医師が隣に居るので急変時の心理的苦痛が軽い
- 医師が隣に居るのでクレームを言われることが稀
- 医療処置が日々あるので技術低下の心配が不要
- 給料が高めの傾向がある
- 日勤のみで土日休みの場合が多い
一つずつ説明していきます!
身体が楽
身体はかなり楽に感じます。
特に動き回る忙しい職場から転職した場合は、明らかに疲れ具合が違うのが分かると思います。
理由としては、移動手段が車という点と、訪問先で動き回ることがほぼ無いからです。
そしてナースコールに追われることも一切ありません。
看護師の仕事で身体がしんどい理由は、仕事やナースコールに追われて動き回っているのが大きな理由だと思います!
勿論、患者さんの急変などで訪問先で慌ただしく仕事をする場合もあります。
しかし、頻度は多くなく、その間もその患者さん一人の対応をすれば良いので身体は大してしんどくありません。
これらの理由から、訪問診療は身体が楽だと言えます。
医師が隣に居るので急変時の心理的苦痛が軽い
訪問診療は医師同伴で診療に伺うので、急変時の心理的苦痛がかなり軽いです。
看護師の仕事をしていると急変に遭遇することはありますが、その時は不安や恐怖感が少なからず誰にでもあると思います。
何故かと言うと、どうしたら良いか分からなかったり、人の命が関わってくることだからです。
そんな時に、的確に指示を出してくれる医師が隣に居てくれるのは安心感がかなり強いです。
急変をした時のことを思い出してみると、医師が到着したら不安や恐怖感はかなり軽減されますよね!
医師が常に隣に居てくれる訪問診療の看護師は、急変時の心理的苦痛が軽いと言えます。
医師が隣に居るのでクレームを言われることが稀
訪問診療の看護師は、医師が隣に居ることでクレームを言われることが稀で、クレームによる心理的苦痛が少ないです。
理由は単純で、患者さんやその家族は、看護師には強く言えても医師に強く言える人は少ないからです。
医師は神様のような扱いを受けていることが多いですよね。
看護師の仕事をしていると、理不尽なクレームを言ってくる患者さんやその家族に遭遇することは誰もが経験したことがあると思います。
そのクレーム対応は心理的苦痛がかなり強いですよね。
しかし、私が訪問診療の看護師として働き始めてから一度もクレーム対応を経験することはありませんでした。
医師の前でクレームや強い口調で何かを言われたことは一切無かったです。
医師が隣に居る訪問診療の看護師は、クレームを言われることが稀で、その部分での心理的苦痛はかなり少ないと言えます。
医療処置が日々あるので技術低下の心配が不要
訪問診療の看護師は日々医療処置がある仕事なので、技術面の低下に関しては心配不要です。
転職を考える時に、医療処置が無くなるor少なくなると技術面が低下するのではないかと心配になることがあると思います。
しかし、訪問診療は診察に伺い必要時は訪問先で治療もする為、ある程度の医療処置は日々あります。
例えば…
- 採血
- ルート確保
- 尿道カテーテル交換
これらの医療処置は頻繁に行います。
頻度は多くないものの、他にも様々な医療処置が日々実施されます!
様々な医療処置が日々ある訪問診療の看護師は、技術低下の心配は不要だと言えます。
給料が高めの傾向がある
訪問診療の看護師は、平均で年収が400〜480万円程度と言われており、高めの傾向があります。
訪問診療はオンコールの有無によっても給料が変わってきます。
オンコールがあれば手当が入るのでその分給料も数万円は高くなります。
私はオンコール有りの時は手取りで月27万円前後、無しの時は手取りで月25万円前後の給料でした。
ちなみに、残業も月10時間以内です。
実際の金額から見ても分かるように、訪問診療の看護師はオンコールの有無に限らず、給料は高めの傾向があります。
日勤のみで土日休みの場合が多い
訪問診療はオンコールを除けば日勤のみで、休日は土日休みの場合が多いです。
夜勤がある仕事は生活リズムがバラバラで地味にしんどいです。
また、看護師の仕事は不定休の場合も多く、その場合は連休も少ない傾向にあると思います。
夜勤があったり、連休が少ないと身体が全く休まらないですよね…
私は訪問診療の看護師に転職した時に初めて夜勤が無くなり、土日休みを経験しました。
生活リズムが一定となり月に4回も連休があると、仕事中の疲労感が以前とは大違いで楽になりました。
そして、友人や家族との予定が合わせやすくなり、プライベートも充実しました。
日勤のみ、土日休みは意外とメリットが多いのでおすすめです!
訪問診療で働く看護師のデメリット
デメリットはメリットに比べると少ないです。
- 医師との関係次第で精神的苦痛が強くなる
- 看護師が運転するので苦手な場合は苦痛となる
- 他職種との連携が多く電話でのやり取りが頻繁にある
一つずつ説明していきます!
医師との関係次第で精神的苦痛が強くなる
訪問診療は、基本的に医師一人と看護師一人でペアになり診療に回ります。
ペアになる医師との関係が悪いと、精神的な苦痛が強くなります。
訪問診療は車移動なので車でも常に一緒、診療先でも指示を受けたり指示について医師に尋ねたりと、常に医師とコミュニケーションを図りながら仕事をする必要があります。
医師との関係が悪いと、そのコミュニケーション自体が苦痛になってしまいます。
車内では沈黙で、指示について必要な内容を尋ねることも円滑に出来ず、かなり仕事がやりにくいのは想像出来ると思います…
訪問診療で働く看護師の一番のデメリットが、医師との関係次第で精神的苦痛が強くなるという部分だと感じます。
看護師が運転するので苦手な場合は苦痛となる
訪問診療の移動は車で、その車を運転するのは看護師の場合がほとんどです。
そして、一日に何件も訪問するので仕事の半分程度は運転をしていると言っても過言ではありません。
運転が苦手な場合は間違いなく苦痛に感じると思います。
基本的に運転免許が無いと訪問診療の看護師として雇ってもらえない場合が多いです。
私は運転が苦手で訪問診療の看護師として働き始めましたが、毎日運転が多すぎて自然に上達してました(笑)
運転が苦手だと苦痛にはなりますが、ある程度運転が出来れば大きなデメリットではないと感じます。
他職種との連携が多く電話でのやり取りが頻繁にある
訪問診療は在宅の患者さんが対象になるので、ケアマネージャーや訪問看護師など他職種との連携はかなり多いです。
何かあれば逐一電話でのやり取りを行い、連携を図るのも看護師の重要な役割になります。
何か新たに治療が開始になった、急遽入院や受診が必要となった、サービスの調整が必要な時など、電話でのやり取りが必要な事は毎日のようにあります。
電話でのやり取りに慣れていない場合や、時には態度が悪い相手と電話で関わる機会もあり、頻繁な電話でのやり取りがストレスに感じる可能性があります。
訪問診療で働く看護師の仕事内容
訪問診療の看護師って具体的にどんな仕事をするの?
訪問診療は通院が困難な在宅の患者さんが対象となりますが、在宅で出来る医療行為は限られています。
その為、看取りの場合を除き、病態が安定していない場合は入院をするのが一般的です。
基本的に難しい医療行為は訪問診療では行わないということ。
それではこれを踏まえて仕事内容について詳しく説明をしていきます!
看護師が実施や介助を行う医療行為
訪問診療で看護師が関わる医療行為を一覧で紹介します。
- 採血
- 注射
- 点滴投与
- 12誘導心電図
- 尿道バルーンカテーテル交換
- エコー検査の介助
- 気切カニューレ交換の介助
- 胃瘻交換の介助
- 縫合の介助
- 腹水・胸水除去の介助(規模が大きいクリニックのみ)
看護師が実施する医療行為に関しては基本的な項目のみです。
介助する項目に関しては経験が無い場合もあると思いますが、所詮介助なので全く難しくありません。
強いていうなら、腹水・胸水除去の介助に関しては規模が大きいクリニックでは実施する場合もあり、急変の可能性もある医療行為なのでストレスに感じるかもしれません。
医療行為以外の看護師の仕事内容
訪問診療の看護師の医療行為以外の仕事を一覧で紹介します。
- バイタルサインの測定
- 診療カルテの準備と入力
- 診療中の運転
- 訪問日程の管理
- 他職種との連携:電話連絡は頻繁
- 処方箋の処理:印刷やファックスを送るなど
- 訪問先で必要な書類の準備や管理
- 新規患者さんの受け入れ準備:契約や訪問日の調整など
- 物品管理:在庫の管理や物品発注など
訪問診療の看護師は医療行為以外のこれらの業務の方が大変だと感じます。
事務的な業務も多く、職場でパソコンに向かっている時間も多いです。
看護師の資格を持って仕事をしているのに事務的な業務も多いと、やりがいを感じられなかったり、物足りなさを感じる看護師も多いと思います。
事務的な業務が多い分、身体が楽に働けるのは間違いありません!
訪問診療に向いている看護師は?
訪問診療の看護師はこんな看護師に向いています。
- 在宅系に興味があるけど一人での対応は不安
- 基本的な看護技術が身に付いている
- 礼儀やマナーがある
一つずつ理由付きで説明していきます!
在宅に興味があるけど一人での対応は不安
在宅系の看護師に興味はあるけど、一人で対応する訪問看護師などは勇気が無かったりしますよね。
訪問診療は医師と一緒に患者さんの元へ訪問するので、一人で対応することへの不安は不要です。
そして、看護と言うよりは診療介助がメインなので、自分の判断ミスが患者さんの命に関わることは滅多になく気が楽です。
在宅系の看護師に興味があるけど一人での対応が不安な看護師にとって、訪問診療はベストだと考えます。
基本的な看護技術が身に付いている
訪問診療の看護師へ就職を考えている方は、基本的な看護技術が身に付いている必要があります。
何故なら、訪問先で看護師の資格があれば実施が可能な医療行為に関しては、全て看護師が実施するからです。
先程も紹介したように、採血、注射、点滴投与、尿道バルーンカテーテル交換などが該当します。
看護技術が身に付いていない状態で就職した場合、看護技術の習得をしてからでないと診療に行くことが出来ません。
そうなると、中々採用されないのが現実だと思います…
上記理由から、基本的な看護技術が身に付いている看護師が向いていると言えます。
礼儀やマナーがある
礼儀やマナーは訪問診療に限らず、在宅系の看護師をする上では絶対に必要な条件です。
一番の理由としては、対象は在宅の患者さんですが、在宅の患者さんはいつでも不満なことがあれば訪問診療などのサービスを変更することが可能だからです。
例えば病院に入院している患者さんであれば、不満に感じたことがあっても、退院したり転院したりの対応は中々出来ないと思います。
しかし、在宅の場合はケアマネージャーに相談してしまえば、直ぐにでも別のクリニックに訪問診療を変更したりが可能なのです。
これは患者さんに限らず関わりのある他職種も同じで、在宅ではいくらでも代わりがいるという考えが基本なので、礼儀やマナーが悪い所は容赦無く関係を切られます。
自分の礼儀やマナーが原因で訪問診療が打ち切りになる場合も容易に有り得るので、礼儀やマナーは訪問診療の看護師には必須条件です。
まとめ
今回は私の経験から訪問診療の看護師について紹介しましたが、いかがでしたか?
想像していた訪問診療の看護師とは違った方、想像通りだった方どちらもいらっしゃるとは思います。
訪問診療の看護師の一番のメリットは、給料が高めで心身が楽に働けるところです。
ですが、その分仕事内容に事務的な業務が含まれているので、その面が人によってはやりがいの少なさや物足りなさを感じる可能性があります。
一番のデメリットとしては、医師との関係次第で仕事中の精神的苦痛が強くなる場合がある点です。
こればかりは、実際に入職してみなければ医師との相性も分からないので難しい部分だと感じます。
メリットもデメリットもある仕事ですが、実際に訪問診療の看護師として働いていた私としてはおすすめしたい仕事です。
注意点としては、運転が出来ること、基本的な看護技術が身に付いていることは就職時に必須です。
この記事を見て、訪問診療の看護師として働くことに少しでも興味を持っていただけたら嬉しく思います。
今後も看護師にとって役に立つ情報を投稿していくので、是非見に来て下さいね!
それでは〜!!